永井康孝 シュツットガルトバレエ団「オネーギン」観覧記

バレエ「オネーギン」の観覧が決まった後、妻の小百合先生からホームページのブログに載せる為の感想文を依頼されてた。

少し困った。

過去の経験から解説、評論とは、とても難しい事を知っていたからである。

どこかへ旅行に出かける時、ガイドブックとか見ませんか?
旅先は国内でも国外でも。
本には写真付きで丁寧に、寺院、公演、美術館等が紹介されており、名物料理までもキチンと解説されてますよね。
でもピンと来ない、「へーっ!フーン」程度。
ところが行って帰って来てからもう一度それを見ると、そうそう、この公園広かったなーとか、空が青かったなーとか、鹿がいっぱいいて糞が臭いんだよね~等、写真では伝えてられない空間や臭いまでもが蘇るんですよね。

僕は映画や舞台を観る時、ちょっと早目に行ってプログラムを買って上演を待ちます。
あらすじを読んで各場面の写真も見ます。

でも何も解らない。

それで良いんですよね。見た後にもう一度よむと解説もそういう意味だったんだー。という事はよくあります。

それではここから本題。
「オネーギン」の鑑賞記です。

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緞帳が開くと田舎の森の広場。
その舞台美術の美しさに先ず目を奪われた。
各袖幕につられた森のアーチ、背景がそれはそれは美しい。
これがドイツなんだ、美術館力かと思う。

曲はチャイコフスキーとは思えない旋律。
村の娘8人の踊りがまぁ良く揃っている事。
もう一気に吸い込まれてしまいました。

レンスキーが登場、オリガとの愛のパドドゥ(男女の踊り)、ところがすごくメロディーが切ない。
後の悲劇を暗示しているのか、ジョン.クランコの振り付けはプティパが使わないダイナミックでアクロバティックな振りが続く。あっという間に1幕終幕。

2幕。おじいちゃん、おばあちゃん役の芝居があまりにも上手すぎて主役から目が離れる程だ。とてもコミカルなので日本人の客でも笑うくらいだ。
レンスキーをからかうオネーギンの態度にハラハラドキドキしてしまう。
この後話は決闘に至るのだが脚本に少しの疑問を感じる。
やりすぎでは?と。

一貫してシュツットガルトバレエ団のレベルの高さに印象が残りました。スタイル、テクニック、アクト文句無しです。
主役二組の体力、スタミナにビックリしましたが、よくここまで作り上げたなーと思います。
パドドゥは力仕事だけでなく、お互いにの呼吸、
タイミングが重要です。
二人のリハーサルにはすごい時間がかかっているはず。
想像しただけで気が滅入ります。

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家に帰ってプログラムをもう一度読みました。時代背景、作品の成り立ち。なる程そういう事だったのかと思いました。
どうですか、僕の観覧記。全然何も伝わらないでしょう。

だから言ったじゃないですかー。
観ないと解らないって。

次回、彼等が来日する時
是非行きましょう。

僕も行きます。